ホウ化物系ターゲットによる新たなコーティングの可能性

プランゼーはOerlikon Surface Solutions AGおよびウィーン工科大学と共に、クリスチャン・ドップラー研究所でコーティング材料の研究を行っています。

ホウ化物系ターゲット、左上からCrB2、TaB2、VB2、TiB2、ZrB2、NB2、W2B5

ハードコーティングやトライボコーティングはこれまで切削工具、タービンブレード、エンジンバルブといった自動車産業に関係の深い製品に適用され、性能や耐用年数の向上に大きく貢献してきましたが、現在では更なる市場要求に応えるべくホウ化物系のコーティングが盛んに研究されています。これらのコーティングは超高温域における耐摩耗性、耐酸化性を向上させますが、より汎用的なコーティングにするには依然相当量の研究が必要です。このため、プランゼーでは、Oerlikon Surface Solutions AGおよびウィーン工科大学材料科学技術研究所と共同で、三元二ホウ化物の研究を行っています。この研究では、CrB2、TaB2、VB2、TiB2、ZrB2、NB2およびW2B5といった二ホウ化物の組み合わせを選択し、それらを実験的にスパッタリング成膜して様々な三元系コーティングの調査を行っています。

W1-xTaxB2から作り出されるコーティングが有望であることが証明されています。WB2のα結晶構造に26 at %までのタンタルを添加すると、熱安定性が800℃から1400℃まで上昇します。Paul MayrhoferとHelmut Riedlの研究チームは、この効果が結晶構造の空孔安定性に基づいているという理論的および経験的根拠を示すことができました。彼らはまた、各種出版物の中で、タンタルの添加がα-WB2の高い破壊靱性に悪影響を与えなかったことを証明しました。このことは、一般的に脆性が高いとされる二ホウ化物に新たな可能性を与えることになります。これらの研究結果により、ウィーン工科大学研究チームのPhD学生であるVincent Moraesは、2018年4月のICMCTF会議で金賞を受賞しました。


SchwedenのVadstenaにある第83回IUVSTAワークショップで、9月に3元ホウ化物について詳しく知ることができます。 83rd IUVSTA Workshop