核融合:ベストのものだけが生き残る!

プランゼーの熱交換器がITER向けに連続生産を開始する前の段階に到達しました。

核融合を利用すれば、環境に適合し、持続可能なかたちで発電を行うことが可能です。国際研究プロジェクトITERは、遅くとも2030年までにそれを実証することになっています。このITERのシステムでは、最も厳しい技術的要求を満たす部品しか検討の対象になりません。なかでも、ダイバータの熱交換器は極端な温度にさらされます。プランゼーは最近、その熱交換器の連続生産を開始する前の、最終的な認可を受ける段階に到達し、ITERへの主要サプライヤーに指定されることを期待しています。

現在は7か国が共同で、世界で最も大規模な核融合実験ITER(国際熱核融合炉実験炉)の一環として核融合プラントを建設する作業に取り組んでいます。このプラントは、初めてプラズマの発生と保持に求められる以上のエネルギーを出力するものになる予定です。部品に対する要求にも、今日の技術では実現できるかどうかぎりぎりのものがあります。プランゼーの試験規模の部品はすでにその能力を実証し、やがて建設されるITERプラントのリファレンスデザインにも大きく貢献しました。プランゼーは最近、フルスケールのプロトタイプを製造する契約を受注しました。連続生産に入れるかどうかが決まるまさに最後の山場で、選ばれる資格のある企業は世界中で3社しかありません。

まずは基本的なところから 核融合とは、どんなこと?

 

水素の核種と核種が融合すると、ヘリウムの核種ができて、エネルギーが放出されます。環境にやさしく、持続可能なこのエネルギー源の原理をひとことで言うと、そうなります。この反応を起こしてぎらぎらと輝いているのが太陽であり、太陽も同じ原理でエネルギーを生み出しています。それだけなら単純なことのように思えるかもしれませんが、実際には、数多くの要素が複雑に相互作用した結果、そのような反応が起こります。核融合プラントでは、水素を1億ºCを超える温度まで加熱します。すると、核種(陽子と中性子)から電子が分離し、プラズマが発生します。このように極端な温度では、水素の核種が互いに電気的に反発し合う力が作用していても衝突するだけの運動エネルギーを持ち、衝突すると融合し、ヘリウム核種になります。この核融合のプロセスで、再生可能なエネルギーが放出されます。

高温のプラズマは、この融合プロセスを維持するとともに、プラントの部品をできるだけ保護するために、磁場で閉じ込めます。プラズマの外側の領域と接触する部品は、ほんの一部だけにします。とりわけ高温になる領域と接するもののひとつが、ダイバータです。磁場の特定のポイント、一般には閉じ込められたプラズマの底のほうのポイントで、ヘリウムイオンとプラズマ中の不純物をダイバータのほうへ導きます。そこで、イオンは減速させられ、電気的に中性になります。ダイバータの部品が溶けたり、さらには蒸発したりするのを防ぐためには、発生した熱をできるだけ早く取り除かなければなりません。ダイバータが極端な応力に耐えられなければ、その融合プラントの連続運転は土台無理ということになります。だから、ダイバータでは、20MW/m2にも達するきわめて高いレベルの発生熱に耐えられ、絶え間ない電子やイオンや不純物の攻撃にも持ちこたえられる複合材料だけが使用されます。原理上、ダイバータはきわめて効率よく熱を放散するヒートシンクで作り、対向材で保護します。対向材は、ヒートシンクが運転中に高温プラズマによって損傷しないように保護します。この対向材の材料として、タングステンと炭素が選ばれています。これらの材料は特に耐熱性に優れ、熱の放散もきわめて効率よく行います。炭素とは違い、タングステンは大量の水素と結合せず、プラズマともそれほど相互作用をしないので、結果的にプラズマの不純物濃度を低く保てます。つまり、タングステンは核融合プラントの第一壁のきわめて高い負荷のかかる領域に最適な材料と言えるのです。

ITER用の強い金属

 

誰もが認める高融点金属のエキスパートとして、プランゼーは、炭素繊維強化炭素(CFC)と一体鋳造のタングステンでダイバータ用の対向材複合材料を製造し、その対向材を銅/クロム/ジルコニウムベースのヒートシンクと接合します。プランゼーのひときわ高い専門性は、強靭な材料だけにとどまらず、それらをつなぎ合わせる接合技術の分野にも及んでいます。核融合プラントがいったん動きだしたら、修理を行うとなると、時間の面でも、予算の面でも、大きなロスが生じます。プラントのダウンタイムは、いかに短時間で終わろうと、高くつくものなのです。対向材とヒートシンクは、完璧に接合しないと、ダイバータの過熱や損傷を防ぐことはできません。プランゼーは、核融合産業に特化した独自の接合技術「active metal casting(アクティブ鋳造)」を開発し、特許を取得しています。この方法では、熱をきわめて効率よく、確実にヒートシンクに伝えることができます。

これから数か月のうちに、プランゼーのチームは数多くのエンジニアや生産スタッフと協力しながらITER用ダイバータの部材の最初のフルスケール・プロトタイプを作ることになります。生産プロセスの個々のステップは、すべて完璧に連携がとれ、技術的に調和していなければなりません。約130個の対向材ブロックをほんのわずかな誤差もなく、すべて同時にヒートシンクのバッキングチューブに接合するのも、このプロジェクトで克服しなければならない数多くの課題のひとつに過ぎません。従来の品質保証の手段は、この開発作業の複雑さには適しているとは言えません。絶対に間違いがないようにするために、プランゼーはサーモグラフィーと超音波の技術を利用して独自の非破壊試験の方法を開発しました。 ITERのプロトタイプについては、どのプロトタイプについても2014年半ばまでにストレステストを無事完了しなければなりません。ITER部品の連続生産は、その上で初めて開始することができます。

前掲の写真は、ITERのダイバータ用高性能熱交換器の現在のリファレンスデザインです。タングステンと炭素繊維強化炭素(CFC)製の一体鋳造ブロックを、特許を取得した接合技術を用いてCuCrZr合金のチューブに接合したものです。底部のチャネル部分は特殊鋼製で、あとでこのアセンブリをITERのダイバータの支持構造に接続するためのものです。この写真に写っているのは、最終的な全長の約25%の長さのプロトタイプです。

もっと詳しく?

 

詳しくは、プランゼーの核融合部品のページをご覧ください。