銅ガリウム薄膜中の酸素含有量に関する新たな知見

スパッタリングで製造する薄膜太陽電池用の銅ガリウム光吸収層中の酸素含有量は、ターゲット材料そのものより真空設備内の残留気体の影響をはるかに大きく受けています。その事実を、プランゼーが最新の研究プロジェクトで解明しました。

CIGS層中の不純物は、太陽電池セルの効率を低下させます。スパッタターゲット中に存在する酸素の比率は、どのターゲットでもごくわずかですが、厳密には、製造プロセスによって多少異なります。粉末冶金法で製造したターゲットは、鋳造ターゲットより酸素を多く含んでいますが、結晶構造では、はるかに優れています。

「わが社が知りたかったのは、その比較的多い粉末冶金ターゲット中の酸素含有量がスパッタ層にも影響するかどうかでした」プランゼーのR&DプロジェクトマネージャーのChristian Linkeはそう説明しています。鋳造ターゲットを用いたスパッタリング試験では、酸素含有量がターゲットより薄膜で200倍増加しました。粉末冶金ターゲットの場合は、不純物を2倍含んでいましたが、スパッタした薄膜中の酸素含有量は鋳造ターゲットを使用した場合とほとんど変わりませんでした(原子百分率で約0.4atm%)。

このため、薄膜中の酸素含有量は主にスパッタリングチャンバー内の残留気体で決まっていると言えます。つまり、粉末冶金法で製造したCuGaターゲットのほうが酸素含有量が多くても、それはCuGa光吸収層製造の優劣を決めるものではありません。

結果として、お客様には、粉末冶金ターゲットを使用するほうが鋳造ターゲットを使用するより大きなメリットがあります。 結晶構造がきわめてきめ細かく、薄膜中にガリウムがより均一に分布するからです。そのためにプロセスの安定性が大幅に向上することがパイロット生産システムでの比較研究で確認されました。

研究の詳細はこちらからこの研究発表の詳細は、第28回欧州太陽光電池国際会議( EU-PVSEC)2013議事録の「Chemical purity of copper-gallium thin films deposited from different sputtering targets(異なるスパッタターゲットで製造した銅ガリウム薄膜の化学的純度)」の項(p.2345~2348)でご覧いただけます。