DFFでは年に数回セッションが開催されますが、今年は7月23日と24日にプランゼー本社で行われました。そこではフラットパネル技術に関わる機会創出、引いては欧州のフラットパネルディスプレイ産業を強化するというテーマで意見交換がなされました。
「当社では開発と製造をチロルで行いながら中国、台湾、韓国、日本のマーケットに製品の供給を行っています。そのため業界内での対話を積極的に行い、その内容を加味して素早く技術開発に反映させていくことをモットーとしています。」と、プランゼーのエレクトロニクス事業部門の製品開発責任者であるDr. Jörg Winklerは語ります。
今年のテーマの1つはマイクロLEDディスプレイでした。この技術では微小なLEDのアレイが個々のピクセルを形成するため、従来の液晶ディスプレイよりも応答時間の短縮、コントラストや演色性の向上、および消費電力の低減が可能であると目されています。具体的には、塵一粒ほどの極小LEDチップ数百万個をどうやって高精度に基板上に配置するのかといった問題や、ピクセルの不具合、チップの光出力の急落といった問題があります。プランゼースパッタリングターゲットコーティングラボの所長Dr. Harald Köstenbauerは、いくつかの例をあげて、光吸収性や耐食性を備えたプランゼー製品がそれらの問題に対処できる可能性について言及しました。一方、プランゼーの開発部門はフレキシブルディスプレイのための材料や、テレビのコントラスト比を改善する新しい薄膜の開発に取り組んでおり、この種の新しいフラットパネルの生産や8Kテレビに向けた動向についてはDFFのワーキンググループによって引き続き検証される見込みです。