2021/22年度のプランゼーグループの全社的な売上は20.2億ユーロに達し、前年度比56パーセント増でした。子会社のCeratizitを初めて完全統合した影響を除いた売上増は15パーセントになりました。これまで、プランゼーグループはルクセンブルクを拠点とする企業、Ceratizitの株式を50パーセント保有しており、2021年3月1日に株式の過半数を獲得しました。有機的成長はパンデミック後の多くのセクターの急速な回復と、半導体、医療技術および建築業界からの大きな需要に支えられています。
07/07/2022
2021/22年度のプランゼーグループの全社的な売上は20.2億ユーロに達し、前年度比56パーセント増でした。子会社のCeratizitを初めて完全統合した影響を除いた売上増は15パーセントになりました。これまで、プランゼーグループはルクセンブルクを拠点とする企業、Ceratizitの株式を50パーセント保有しており、2021年3月1日に株式の過半数を獲得しました。有機的成長はパンデミック後の多くのセクターの急速な回復と、半導体、医療技術および建築業界からの大きな需要に支えられています。
「パンデミックで始まり、次にサプライチェーンの問題、今はウクライナの戦争。こうした課題に当社の従業員と管理職はこれまでも現在も取り組んでいます。私たちが成功を収めている大規模な取り組みです」と、プランゼーグループ取締役会のスポークスマンを務めるKarlheinz Wexは、ロイッテのプレスイベントで語りました。設立101年目の当グループは、この景気回復に迅速に対応し、市場での位置付けを拡大し、組織のさらなる成長に尽力してきました。Wexは、今年度の前半について楽観的な見通しを示していました。プランゼーグループには、強固な経済的基盤があり、受注状況は良好です。しかしながら、同時にWexは、リスクについても指摘しています。それには、予測できないウクライナ戦争の影響、不確かなガス供給、インフレの上昇、国と地域間の貿易障壁の増加、一部のサプライチェーンにおける過剰な備蓄などがあります。「これらは当社にとって問題であり、今年度後半の経済成長には影響がでてくると思います」と、CEOは話しています。
持続可能性戦略の展開と同時に、プランゼーグループは技術の改革を開始しました。「過去20年間、弊社は主に天然ガスから水素を生産してきました。水素は、複数の主な生産段階でプロセスガスとして求められています。水素は今後、グリーン電力を利用して主に電気分解により製造されるようになります。これにより、弊社は今後3年~5年でグループのカーボンフットプリントを最大60パーセント削減できるようになります」と、取締役のWolfgang Köckは話します。Köckによると、この目標を達成するには、タングステンのリサイクル比率を増加し、材料およびエネルギー効率を向上することが必要です。
また、Karlheinz Wexは、エネルギーターンアラウンドの成功を可能にする政治的方針も求めています。「将来、工業生産に必要とされるエネルギー量を考慮すると、安全かつ競合優位性があり、持続可能なエネルギー供給を可能にするフレームワーク条件について、有効な政策が必要となります」
ロイッテで6月初めに開催された「プランゼーセミナー」学会では、プランゼーグループが処理する材料のモリブデンとタングステンを他の材料と初めて比較し、持続可能性についてランク付けを実施しました。Wolfgang Köck:「ここで提示された結果から、弊社を今まで以上に競合他社から明確に差別化できる興味深い視点が得られました」詳細については秋に公開されます。
Ceratizit社の獲得により、プランゼーグループは同社のタングステン電力生産を再編し、競合優位性を強化しました。その結果、リサイクル比率を向上させています。積極的なリサイクル目標を達成するため、Ceratizitは可能な限りタングステンのスクラップを回収してリサイクルするイニシアチブを立ち上げました。プランゼーグループはリサイクルしたタングステンを使用して新たな製品を製造しています。最新のリサイクル技術により、リサイクルしたタングステンから製造された製品は、「新しい」タングステンから製造した製品と同一の特性があることが確認されています。
ブライテンヴァング/ロイッテ(オーストリア)にある同グループの最新の生産サイトでは、Ceratizitの新たな生産ホールが完成間近となっています。屋根上には最大出力385 キロワットの太陽光発電システムが設置され、まもなく稼働する予定です。また、プランゼーは、新たな焼結工場も建築し、医療技術および半導体産業向けのコンポーネントの生産容量を拡大しました。このサイトでは生産量を23パーセント増加し、昨年度は7.47億ユーロに達しました。2021/22年度のブライテンヴァング/ロイッテの有形資産に投資された金額は合計6,200万ユーロでした。グループ全体での金額は1.54億ユーロでした。同グループはイノベーションに8,600万ユーロ投資しました。
マメ(ルクセンブルク)のサイトのリポジショニングが完了しました。このプラントの基礎として、製造業界向けの炭化物製耐摩耗性コンポーネントおよび工具業界向けの切削インサートの生産に今後さらに集中化します。
トウォンダ(アメリカ)サイトで行われていた鉱石またはスクラップからのラングステン電力生産に関するすべてのアクティビティは、Ceratizitの事業領域に統合されました。このサイトでは、生産にリサイクルされたタングステンスクラップが高い割合で使用されているため、エネルギーおよび環境パフォーマンスが特に優れています。タングステン鉱石からの生産と比較して、エネルギー消費および二酸化炭素排出量は、リサイクルプロセスで大幅に削減されています。
IT、HR、統制、財務および会計などの主要なグループサービス機能は、Plansee Group Functionsに統合されました。このサービス会社はロイッテ、ケンプテン、マメおよびトウォンダのサイトで活動しています。Plansee Group Functionsではジョブキャンペーンを実施しており、特にITスペシャリストを募集中です。会社のアクティビティのデジタル化をさらに促進するため、ITスペシャリストを急募しています。
プランゼーグループでは、今年度も厳しい外部状況が継続すると予測しています。電気およびガス料金の値上げ、インフレーションの悪化、調達市場における物流およびサプライの問題、そして複数の職種で経験のある作業員の不足など、さまざまな課題が存在します。機械エンジニアリング、半導体業界および医療技術の市場の成長は、今後も良好でしょう。「これらの業界からの大きな需要から、モリブデンおよびタングステンを材料とした当社の製品および工具は、今後も多くのハイテク用途で高い需要が見込まれます」と、Karlheinz Wexは話します。今後2年間社内で実施する最適化プロジェクト「Better Together」の推進、戦略会社の獲得およびプロセスの改善により、プランゼーグループはその位置付けをさらに効率的に、そして優位に進められるように取り組んでいきます。
2020/21 |
2021/22 |
|
売上* |
12.9億ユーロ |
20.2億ユーロ |
販売ポートフォリオ |
25.5億ユーロ |
31.6億ユーロ |
ブライテンヴァング/ロイッテの生産量 |
6.06億ユーロ |
7.47億ユーロ |
従業員数* |
7,535 |
11,174 |
従業員ポートフォリオ |
13,436 |
13,541 |
オーストリアの従業員数 |
2,356 |
2,509 |
投資額* |
1.53億ユーロ |
1.54億ユーロ |
研究開発費* |
6,100万ユーロ |
8,600万ユーロ |
新製品のシェア* |
36パーセント |
33パーセント |
自己資本比率* |
63パーセント |
51パーセント |
タングステンのリサイクル率* |
83,4パーセント |
74パーセント |
Plansee High Performance MaterialsおよびCeratizitの事業領域とMolymetへの投資により、プランゼーグループは世界をリードする粉末冶金会社の1つとなっています。
プランゼーグループは、モリブデンとタングステン材料で製造された製品に特化しており、鉱石精鉱からカスタマイズされたツールやコンポーネントまで、バリューチェーン全体を網羅しています。
この製品ポートフォリオには100,000以上の異なる製品とツールが含まれています。プランゼーグループは、スマートフォンなどの日常的に使用するハイテク装置の生産、ならびにモビリティ、エネルギー供給および産業生産への持続可能で効率的なソリューションを実現しています。
2021/22年度、プランゼーグループは11,174人の従業員により連結売上高20.2億ユーロを達成しました。プランゼーグループのポートフォリオ(Molymetの21パーセントの出資を含む)は、13,541人の従業員により31.6億ユーロの売上を達成しました。
事業年度は2月末日で終了します。