タングステン

タングステンは超高温部品に使用されます。タングステンは金属の中で最も融点が高いため、超高温の用途に広く使用されています。また、熱膨張率が低く、超高温での
形状安定性がきわめて高いのも特徴です。
タングステンは破壊困難です。この材料は、たとえば高温炉材、照明部品、医療・薄膜技術の分野で使用されます。

陽極
陽極
るつぼ
るつぼ
スパッタリングターゲット
スパッタリングターゲット
電気接点
電気接点
タングステンの特性
原子番号74
CAS番号7440-33-7
原子量183.84
融点3 420 °C
沸点5 900 °C
原子容0.0159 [nm3]
20°Cの密度19.30 [g/cm³]
結晶構造体心立方構造
格子定数0.3165 [nm]
地殻中の存在量1.25 [g/t]
用途
用途
タングステン合金
合金
モリブデンの特性
特性
発見から精製まで
発見
粉末治金法
粉末
冶金法

純度

良質のタングステンをお探しでしたら、プランゼーまでご連絡ください。金属パウダーから最終製品まで、プランゼーは自社ですべての工程を管理しています。投入材料には自社で管理する最高純度の酸化タングステンを使用しています。
だから、お客様にも超高純度材料をお届けできるのです。 データでご覧ください。

プランゼーのタングステンは純度99.97 %であることを保証いたします。(モリブデンを含まない金属純度)
それ以外の元素は以下が含まれます。

元素代表値

[μg/g]
保証値
max.
[μg/g]
Al115
Cr320
Cu110
Fe830
K110
Mo12100
Ni220
Si120
C630
H05
N15
O220
Cd15
Hg*01
Pb15

*初期値

クロム(VI) と有機不純物は製造過程において完全に取り除かれています。(1000度を超える水素雰囲気の中、多段熱処理をしています。)

ユニークな特性

工業用途でプランゼーのタングステンが使われる用途には、この材料が持つユニークな特性が反映されています。そのうちの3つを以下に簡単に紹介します。

優れたクリープ特性と高純度

プランゼーのタングステンの用途として最も多いのは、サファイア単結晶成長用の溶融固化容器です。純度が高いので結晶への不純物の混入を防げ、良好なクリープ特性で製品の形状安定性も確保できます。

高純度で良好な電気伝導性

熱膨張率が全金属中で最も小さく、電気伝導度の高いプランゼーのタングステンは、薄膜用途に理想的な材料です。電気伝導度が高く、隣接層への拡散性も低いので、TFT-LCDスクリーン用の薄膜トランジスタに使用すると大きな効果を発揮します。また、コーティング材料として超高純度スパッタターゲットもお届けしています。プランゼーほど大きなタングステンターゲットをお届けできるメーカーはほかにありません。

長寿命で高い融点

超高温でも寿命が長いプランゼーのタングステン製溶解るつぼやマンドレルシャフトは、溶融石英ガラスにも耐えることができます。プランゼーのタングステンは純度がきわめて高いため、溶融石英の気泡や変色も確実に防ぐことができます。

純タングステン ― タングステン合金

プランゼーはタングステンならでの用途で最適に機能する材料をお届けします。各種の合金成分を加えることによって、以下の特性を自由にコントロールすることができます。

  • 物理的特性(融点、蒸気圧、密度、導電性、熱伝導性、熱膨張率、熱容量、電子仕事関数など)
  • 機械的特性(強度、破壊挙動、耐クリープ性、延性など)
  • 化学的特性(耐食性、エッチング性など)
  • 機械加工性(切削性、成形性、溶接性など)
  • 微細構造・再結晶特性(再結晶温度、脆化特性、経時効果など)

これ以外の各種特性も、プランゼー独自の製造工程により、幅広く調整することができます。 その結果、さまざまな各種条件に応じて特性を正確に調整したタングステン合金をお届けすることも可能です。

材料名合金成分
(重量%)
W (純タングステン)>99.97 % W
WK6560 - 65 ppm K
WVM30 - 70 ppm K
WVMW15 - 40 ppm K
S-WVMW15 - 40 ppm K
WCWC202.0 % CeO2
WLWL10
WL15
WL20
1.0 % La2O3
1.5 % La2O3
2.0 % La2O3
WL-S1.0 % La2O3
WLZ2.5 % La2O3/ 0,07 % ZrO2
WReWRe5
WRe26
5.0 % Re
26.0 % Re
WCu10 - 40 % Cu
W-高密度
タングステン-ヘビーメタル
Densimet®
Inermet®
Denal®
1.5 % - 10 % Ni, Fe, Mo
5 % - 10 % Ni, Cu
2.5 % - 10 % Ni, Fe, Co

WK65 (タングステン-カリウム)

タングステンに 60~65ppm のカリウムをドープして材料を成形し、長大結晶粒積層構造を持つワイヤーを作ります。この微細構造が材料に良好な耐クリープ性や形状安定性などの優れた高温特性を持たせます。特殊な製造工程を利用すると、WK65の負荷耐性をWVMより高くすることができます。

WVM(WV-タングステン)

WVMは純タングステンに微量のカリウムをドープしたものです。プランゼーのWVMは蒸着コイルまたは加熱フィラメントでの使用を想定し、主にロッドまたはワイヤーで製造されています。方位依存性の強い冷間加工とも相互作用するこのドーピングでは、積層微細構造ができ、その結果、高温での形状安定性が増します。.

WVMW / S-WVMW(WVM-タングステン)

WVMWとS-WVMWは直径15mm以上のショートアークランプのアノード材料用に開発されました。どちらの材料もアルミニウム-カリウム-シリケートをドープしたタングステンを用いて作ります。S-WVMWはとくに直径が30mmを超えるロッドに適しています。特殊な工程で製造するため、S-WVMWではロッドコアを高密度にすることができます。

WC20(タングステンセリア)

WC20があれば、トリウムは無用です。WC20は非放射性材料であり、WT20の代替品として最適です。溶接棒の材料として使用されます。タングステンに2重量%の酸化セリウムをドープし、純タングステンより電子仕事関数が低く、着火特性に優れ、寿命の長い材料にします。

WL(タングステンランタン)

タングステンに1.0~2.0重量%の酸化ランタン(La2O3)をドープし、クリープ特性を改善し、再結晶温度を高めています。プランゼーのWLは構造内に酸化物粒子が細かく分布しているので、機械加工が容易です。電子仕事関数は純タングステンより大幅に低くなります。このため、イオンソース、ランプ電極、溶接棒によく使われています。.

WL-S(タングステンランタン-S)

この特殊なWLは高圧放電ランプのステム(支柱)用に特別に開発されたものです。特別な生産工程を用いて標準的なタングステンランタンより微細な粒子構造を作ります。この特殊な微細構造のおかげで、高い熱負荷に曝露したあとでも材料の破壊強度は標準的なWLやWVMより高くなります。このため、高圧放電ランプの寿命が来るまでアノードとカソードを同位置に保つ支柱として、WL-Sは理想的な材料です。

WLZ(タングステンランタン-Z)

タングステンに酸化ランタンと酸化ジルコニウムをドープし、高い耐クリープ性と低い電子仕事関数を同時に実現しています。WLZは高負荷環境で使用するカソードの優れた材料です。WLZは非常に良好なアーク特性を有し、極高温域でも安定を保ちます。

WRe(タングステンレニウム)

延性を高め、脆性延性遷移温度を下げるため、タングステンとレニウムを合金にしています。タングステンレニウムは、再結晶温度も高くなり、耐クリープ性も向上します。2000°Cを超える用途の熱電対の材料には、標準的なWRe、つまりW5ReやW26Reを使用します。この材料は航空産業や航空宇宙産業でも使用されています。

WCu(銅タングステン)

WCuは多孔質のタングステンマトリックスに10~40重量%の銅を含浸させた複合材料です。通常、プランゼーのWCuは高電圧遮断器(Elemet®)の製造、エレクトロニクスデバイス用ヒートシンク、放電加工用電極(Sparkal®)に使用します。WCuは耐アーク特性がきわめて高く、良好な電気伝導度、高い熱伝導度、低い熱膨張率を示します。

万能材料 - タングステンの特性

タングステンは高融点金属に属します。高融点金属とは、融点がプラチナ(1772°C)より高い金属をさします。高融点金属では、個々の原子がとくに強いエネルギーで結合しています。融点が高いほかに、蒸気圧が低く、弾性係数が高く、熱安定性が高いのが特徴です。また、通常は熱膨張率が低く、比較的密度も高くなります。

タングステンは全金属中で最も融点が高く、弾性係数も著しく高い値を示します。全般的に、その特性はモリブデンと似ています。この2つの金属は周期表で同族に属します。しかし、タングステンの一部の特性はモリブデンより顕著です。

タングステンは熱特性が優れているので、超高熱にも容易に耐えられます。データでご覧ください。

特性
原子番号74
原子量183.85
融点3 420 °C / 3 693 K
沸点5 900 °C / 6 173 K
原子容1.59 · 10-29[m3]
蒸気圧1 800 °C
2 200 °C
2 · 10-9 [Pa]
6 · 10-6 [Pa]
20°C(293K)の密度19.3 [g/cm3]
結晶構造体心立方構造
格子定数3.165 · 10-10[m]
20°C(293K)の硬度応力除去焼鈍後
再結晶後
>460 [HV30]
~ 360 [HV30]
20°C(293K)の弾性率405 [GPa]
ポアソン比0.28
20°C(293K)の線熱膨張係数4.2 · 10-6[m/(m·K)]
20°C(293K)の熱伝導率164 [W/(m·K)]
20°C(293K)の比熱0.13 [J/(g·K)]
20°C(293K)の電気伝導度18 · 106[1/(Ω·m)]
20°C(293K)の比電気抵抗0.050 [(Ω·mm2)/m]
20°C(293K)の音響速度縦波 横波5 180 [m/s]
2 870 [m/s]
電子仕事関数4.54 [eV]
熱中性子断面積1.92 · 10-27[m2]

タングステンとその合金の特性は添加する合金元素の種類や量を変えることにより、また、選択する製造工程により変えることができます。

プランゼーでは主にドープタングステン材料を使用します。たとえば、WVMやWK65を製造するときはカリウムを少量加えます。カリウムは、とくに高温下で機械的特性を向上させる効果があります。CeO2と La2O3加えると、電子仕事関数が低下し、その結果、タングステンをカソードに適した材料にすることができます。

WReとWCuはヘビーメタル合金とともに合金元素含有量が多く、40%に達することもあります。このため、これらはタングステン合金と呼ばれています。レニウムはタングステンの延性を高めるために添加します。銅は材料の導電性を高めます。ヘビーメタル合金は機械加工性が高いので、複雑な形状にも使用することができます。たとえば、シールド材としても、また、減衰・衝撃吸収部品としても使用することができます。

特性WWK65WVM
(S-)WVMW
WC20
合金元素
(重量%)
99.97 % W60 - 65 ppm K30 - 70 ppm K
15 - 40 ppm K
2.0 % CeO2
熱伝導率~~~~
高温安定性、耐クリープ性~
++
++
+
+
再結晶温度~+++++
粒子の繊細度~+++
延性~+++
機械処理適性/加工性~++++
電子仕事関数~~~--
特性WLWL-SWLZWRe
合金元素
(重量%)
1.0 % La2O3
1.5 % La2O3
2.0 % La2O3
1.0 % La2O32.5 % La2O3
0.07 % ZrO2
5 % / 26 % Re
熱伝導率~~~-
高温安定性、耐クリープ性++++++
再結晶温度++++++
粒子の繊細度++++~
延性+++++
機械処理適性/加工性++++++
電子仕事関数------+
特性WCuDensimet®
Inermet®
Denal®
合金元素
(重量%)
10 - 40 % Cu1.5 - 10 % Ni, Fe, Mo
5 - 9.8 % Ni, Cu
2.5 - 10 % Ni, Fe, Co
熱伝導率+-
高温安定性、耐クリープ性
---
再結晶温度
粒子の繊細度+
延性++++
機械処理適性/加工性++++
電子仕事関数

~ 純Wと同程度 + 純Wより高い ++ 純Wより大幅に高い - 純Wより低い -- 純Wより大幅に低い

熱物理特性

タングステンは高融点金属の中でも最も融点が高く、熱膨張率が低く、密度が比較的高い金属です。電気伝導性がよく、熱伝導性に優れているところも、材料としては貴重です。これらの特性の値はすべてモリブデンよりタングステンのほうが高くなっています。どちらも周期表で同じ族に属していますが、周期はタングステンのほうがモリブデンより下位に当たります。

タングステンの熱物理的特性は温度とともに変化します。下のグラフは、最も重要な比較対象変数の曲線を示します。

リフラクトリーメタルの蒸気圧
リフラクトリーメタルの蒸気圧
タングステンとモリブデンの線熱膨張率
タングステンとモリブデンの熱容量
タングステンとモリブデンの比電気抵抗
タングステンとモリブデンの熱伝導率
タングステンの放射率

図は、タングステンの温度依存性放射率の値をまとめたもの(青いスキャッタバンド)です。納入状態におけるプランゼー製品のサンプルの実験的測定値は、スキャッタバンドの上端に見ることができます。

機械的特性

プランゼーでは、材料の純度を最適化し、合金元素の種類と量を決定し、熱処理(焼鈍)と独自の成形工程を通してタングステンの微細構造を調整します。その結果、幅広い用途に対応するプランゼーならではの機械的特性が生まれます。タングステンの機械的特性はモリブデンと似ています。モリブデン同様、機械的特性は温度によって変化します。タングステンは融点が3420°Cと、全金属中で最も高い金属です。熱安定性が高く、弾性率も高いので、耐クリープ性も高くなっています。

試験温度によるタングステンの弾性率の変化。その他のプランゼーの高融点金属と比較

モリブデン同様、タングステンも体心立方格子構造を持つので、脆性延性遷移特性も似ています。脆性延性遷移温度は冷間加工や合金化によって低下させることができます。材料強度は冷間加工の比率が増すと向上します。ただし、タングステンの場合は他の金属と違い、それで延性も高まります。タングステンの延性を全体的に高めるために主に用いられる合金元素はレニウムです。

モリブデン同様、タングステンも体心立方格子構造を持つので、脆性延性遷移特性も似ています。脆性延性遷移温度は冷間加工や合金化によって低下させることができます。材料強度は冷間加工の比率が増すと向上します。ただし、タングステンの場合は他の金属と違い、それで延性も高まります。タングステンの延性を全体的に高めるために主に用いられる合金元素はレニウムです。

タングステンを高温で使用するときは、材料の再結晶温度も考慮する必要があります。延性、破壊靭性などの機械的特性は、再結晶化率が高くなるほど低下します。タングステンは、小さな酸化物粒子(酸化ランタン、酸化セリウムなど)をドープすると、再結晶温度とクリープ強度が高まります。また、材料を冷間加工して酸化物粒子のサイズを小さくすると、再結晶温度はさらに上昇します。

タングステン系材料の塑性加工率90%と99.99%の場合の再結晶温度を下表に示します。

材料1時間で完全に再結晶する温度[°C]
塑性加工率=90%塑性加工率=99.99%
W (純タングステン)1350-
WVM-2000
WC2015502600
WL1015002500
WL1515502600
WRe51700-
WRe261750-
WおよびMoシート材の降伏強度0.2%(代表値)
WおよびMoシート材の降伏強度0.2%(代表値)
WおよびMoロッド材の降伏強度0.2%(代表値)
(シートの厚さ: W = 1mm / Mo = 2mm)
タングステンおよびモリブデンシート材料の標準最大抗張力
タングステンおよびモリブデンシート材料の標準最大抗張力
WおよびMoロッド材の降伏強度0.2%(代表値)
(シートの厚さ: W = 1mm / Mo = 2mm)
WおよびMoのロッド材の降伏強度0.2%(代表値)
WおよびMoのロッド材の降伏強度0.2%(代表値)
WおよびMoロッド材の降伏強度0.2%(代表値)
(直径: 25mm)
タングステンおよびモリブデンロッド材料の標準最大抗張力
タングステンおよびモリブデンロッド材料の標準最大抗張力
WおよびMoロッド材の降伏強度0.2%(代表値)
(直径: 25mm)
タングステンシートの光学顕微鏡写真
タングステンシートの光学顕微鏡写真
(応力除去)
タングステンシートの光学顕微鏡写真
タングステンシートの光学顕微鏡写真
(再結晶)

タングステンを機械加工するには、難加工材についての知識と経験が必要です。曲げ、カシメなどの成形加工は一般に脆性延性遷移温度以上で行う必要があります。タングステンの場合は、この温度がモリブデンより高くなります。加工するシートが厚いほど、高い予熱温度が求められます。シートの予熱温度は、カシメより切削や打抜き加工でより高くする必要があります。タングステンの機械加工はきわめて厄介です。酸化セリウムや酸化ランタンを用いたプランゼーのタングステンでは、切削がやや容易になります。しかし、工具摩耗のレベルはまだかなり高く、チッピングが起こる可能性もあります。高融点金属の成形、機械加工についてご不明な点がございましたら、長年の経験を持つプランゼーにお問合せください。

化学的特性

相対湿度60%未満では、タングステンは耐食性を示します。湿度が高い空気中では、変色が始まります。しかし、モリブデンほど顕著ではありません。溶融ガラス、水素、窒素、希ガス、溶融金属、溶融酸化物セラミックスは、酸化性成分を含んでいなければ、超高温でもほとんどタングステンを腐食しません。

下表にタングステンの耐食性の有無を示します。別途の表示がないかぎり、仕様は空気や窒素の混じらない純粋溶液に関するものです。化学的に活性な物質が少しでも混じると、耐食性は大幅に変化する可能性があります。複雑な耐食性の問題について何かご不明な点はございますか?長年の経験と自前の腐食ラボを持つプランゼーが喜んで皆様のお力になります。

タングステンの耐食性

冷水及び温水 < 80 °C (353 K) 耐食性あり
温水 > 80 °C (353 K) 耐食性あり
窒素または反応抑制剤を含む温水 耐食性あり
無機酸 フッ酸 < 100 °C (373 K) 耐食性あり
王水、冷 耐食性あり
オルトリン酸 ~270 °C (543 K) 耐食性あり
硝酸、冷・温とも 耐食性あり
塩酸、冷・温とも 耐食性あり
硫酸 <70%、~190°C (463K) 耐食性あり
四価クロム硫酸 耐食性なし
アルカリ溶液 アンモニア溶液 耐食性あり
水酸化カリウム(KOH) <50 %、~100°C (373K) 耐食性あり
水酸化カリウム (KOH > 50 %) 耐食性なし
水酸化ナトリウム(NaOH < 50 %)、~100°C (373K) 耐食性あり
水酸化ナトリウム(NaOH) 50% 耐食性なし
次亜塩素酸ナトリウム溶液、冷・温とも 耐食性なし
有機酸ギ酸、室温 耐食性あり
酢酸 ~100°C (373K) 耐食性あり
濃縮乳酸、室温 耐食性あり
シュウ酸、室温 耐食性あり
酒石酸、室温 (18.4 %) 耐食性あり
非金属 ボロン ~1800°C (2073K) 耐食性あり
カーボン ~1200°C (1473K) 耐食性あり
リン ~800°C (1073K) 耐食性あり
硫黄 ~500°C (773K) 耐食性あり
シリコン ~900°C (1173K) 耐食性あり
フッ素、室温 耐食性なし
塩素 ~250°C (523K) 耐食性あり
臭素 ~450°C (723K) 耐食性あり
ヨウ素 ~450°C (723K) 耐食性あり
溶融ガラス* ~1700°C (1973K) 耐食性あり

* 酸化性成分を含むガラス(鉛ガラスなど)を除く

ガスに対する耐食性
アンモニアガス < 1000°Cで耐食性空気及び酸素 < 500°Cで耐食性
希ガス超高温まで耐食性窒素超高温まで耐食性
二酸化炭素 < 1200°Cで耐食性水素超高温まで耐食性
一酸化炭素 < 1400°Cで耐食性水蒸気 < 700°Cで耐食性
炭化水素 < 1200°Cで耐食性
セラミック炉材に対する耐食性
酸化アルミ <1900°Cで耐食性酸化マグネシウム <1600°Cで耐食性
酸化ベリリウム < 2000°Cで耐食性炭化ケイ素 <1300°Cで耐食性
グラファイト < 1200°Cで耐食性酸化ジルコニウム <1900°Cで耐食性
マグネシアれんが <1600°Cで耐食性


とくに亜鉛やスズの融液に対しては、タングステンはモリブデンより耐性があります。

溶融金属に対する耐食性
アルミ < 700°Cで耐食性ナトリウム <600°Cで耐食性
ベリリウム耐食性なしニッケル耐食性なし
<1100°Cで耐食性プルトニウム < 700°Cで耐食性
酸素含有鉛 < 500°Cで耐食性水銀 <600°Cで耐食性
セシウム < 1200°Cで耐食性ルビジウム < 1200°Cで耐食性
耐食性なしスカンジウム < 1400°Cで耐食性
ガリウム < 1000°Cで耐食性希土類(レアアース) <800°Cで耐食性
カリウム < 1200°Cで耐食性耐食性あり
<1300°Cで耐食性ウラン <900°Cで耐食性
<1100°Cで耐食性ビスマス < 1400°Cで耐食性
リチウム <1600°Cで耐食性亜鉛 <750°Cで耐食性
マグネシウム < 1000°Cで耐食性スズ <980°Cで耐食性

発見から精製まで

タングステンは中世に中欧のエルツ山地でスズを還元しているときに最初に発見されました。しかし、当時は不要な混入物と考えられていました。タングステン鉱石はスズの還元中にスラグの形成を促進し、結果的に生産効率を落としたからです。タングステンのドイツ名「ウォルフラム」(「オオカミのよだれ」の意)は 「羊を食べるオオカミのようにスズを食べる」スズをむさぼる鉱物といわれたところから来ています。

1752年、化学者Axel Fredrik Cronstedtが発見した重金属にスウェーデン語で「重い石」を意味するTung Sten(タング・ステン)という名前をつけました。Carl Wilhelm Scheeleがその鉱石からタングステン酸を取り出すことに成功したのは、その30年後のことでした。その2年後には、Scheeleのふたりのアシスタント、Juan JoseとFaustoのElhuyar兄弟が三酸化タングステンを還元してタングステンを取り出しました。現在では、このふたりの兄弟がタングステンの真の発見者と考えられています。ラテン語名Wolframiumとその頭文字をとった元素記号WはJöns Jakob Berzeliusの提案でつけられたものです。

タングステンは、自然界では鉄マンガン重石((Fe/Mn)WO4)や灰重石(CaWO4)のかたちで存在しているのが最も一般的です。タングステンの最大級の鉱床は中国、ロシア、米国で見つかっています。オーストリアのFelbertauern地方のMittersillにも灰重石の鉱床があります。

タングステン鉱石中のWO3の含有率は鉱床によって異なりますが、0.3~2.5重量%です。破砕、粉砕、浮遊選鉱、焙焼のプロセスを利用すると、このWO3含有率を60 %程度まで上げることができます。残りの不純物は水酸化ナトリウムによる温浸によってほとんど除去されます。それによって得られるタングステン酸ナトリウムは、いわゆるイオン交換抽出のプロセスでAPT(パラタングステン酸アンモニウム)に変換します。

還元は水素雰囲気中で500~1000°Cの温度で行います。

水素雰囲気中での還元

プランゼーの姉妹会社GTPはAPTの生成、抽出、還元を専門とする企業です。プランゼーはGTPから均一で高品質の純度の高い金属タングステンの供給を受けています。

粉末冶金法

粉末冶金法とは?今日では、鉄鋼、アルミ、銅などの工業用金属や合金の多くが、溶解され、鋳型で製造されていることはよく知られています。これに対して、粉末冶金法では溶解を行わず、金属粉末を成形し、その材料の融点より低い温度で熱処理(焼結)して製品を製造します。粉末冶金法では、金属粉末それ自体に加えて、この成形と焼結が何より重要な工程になります。プランゼーはこれらの工程をすべて自社で制御し、最適化することができます。

なぜ粉末冶金法なのでしょうか?粉末冶金法では、融点が2000°C をはるかに上回る金属でも成形品を作り出すことができます。この製法は少量生産の場合とくに経済的です。さらに、目的に応じて調整された添加物により、希望の特性を持つ材料を均質な品質で作ることができます。

タングステンパウダーは合金元素と混合して型に詰めます。この混合物を圧力約2000barで圧縮します。そのプレス成形物(「圧粉体」という)を次に特殊な高温炉に入れ、2000°C以上の温度で焼結します。この工程で圧粉体には適切な密度と微細構造ができます。優れた熱安定性、硬度、フロー特性など、プランゼーの材料ならではのきわめて特殊な特性は、鍛造、圧延、引き抜きなどの成形法を適切に組み合わせることによって生まれます。これらの方法がすべてぴたりと適合したときに、初めて厳しい品質の要求水準を満たしたずば抜けた純度と品質の製品を製造することができるのです。

原料<br/>(酸化物)
還元
混合
混合
金属粉末と混合粉末を2 t/cm²の圧力をかけてプレスし、いわゆる圧粉体と呼ばれるものを作ります。何か特別な形のものが求められる場合はプレスの段階で、圧粉体がその仕様にあうように
プレス
焼結
成形
熱処理
処理
機械加工
接合
コーティング
品質
保証
リサイクル

材料安全データシートのダウンロードはこちらから。