ニホウ化チタン製スパッタリングターゲット
アルミの機械加工中には、材料の粒子がツールの刃先に付着することがあります。その場合には、ワークピースの材料を除去するためにツールにより大きな力をかけなければならず、摩耗が加速されます。そして、ツールの刃先が早期に破損することがよくあります。二ホウ化チタン(TiB2)のコーティングをすれば、そういうことはありません。このコーティングはアルミなどの非鉄金属の機械加工や切削にとくに適しています。
二ホウ化チタンはきわめて硬い材料です。また、最高の材料でもあります。なぜなら、TiB2は他のコーティングとは違ってアルミと反応せず、ツールに金属粒子が付着することはないからです。だから、トラブルフリーの機械加工が可能になります。
硬質材料の二ホウ化チタンコーティングはマグネトロンスパッタリング法で行います。この種の用途には、純粋なセラミックTiB2スパッタリングターゲットとモリブデンまたは銅のバックプレートにボンディングしたターゲットをお届けすることができます。これらのバックプレートは、ターゲットを安定させ、破損しにくくし、使いやすくします。はんだ材料には一般にインジウムを使用します。ただし、この材料は個々の用途に応じて変更することもできます。ご要望があれば、アークカソードを製造することも可能です。プランゼーの二ホウ化チタンターゲットは、以下のような特性でご好評をいただいております。
- きめ細かく均質な微細構造
- 高い密度
- 高い熱衝撃耐性
主な特性一覧 | |
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純度[%] | 99.7 |
保証密度[g/cm3] | 4.40 |
粒径[μm] | 2 |
熱伝導率[W/(m•K)] | 64 |
熱膨張率[1/K] | 7,4 · 10-6 |
最適な微細構造、完璧なコーティング

プランゼーでは、TiB2粉末に特殊な前処理を施し、とりわけ粒子が細かく、均質な微細構造を持つターゲットができるようにしています。その場合、メリットとしては、コーティング中にターゲットの材料が一様に侵食され、より均一なコーティングができる点です。
高い密度、均一な成膜
セラミック材料の二ホウ化チタンは1700~2000°Cの高温でプレスしなければなりません。だから、プランゼーではターゲットを製造し、理論上の密度の98%以上を達成するために熱間プレス技術を使用しています。その結果、スパッタリング中にターゲットからパウダーの粒子が放出されることはありません。つまり、最適なコーティングの密着性を確保しながら完璧な構造の薄膜を形成することができるのです。
熱衝撃への最適な耐性、長い寿命
コーティングプロセス中、ターゲットは高温にさらされます。スパッタリングが終わったら、材料はまた急速に冷却されます。そのとき、ターゲットに割れ目や裂け目が生じることがあります。プランゼーのターゲットは、特別なパウダー冶金の製法で製造しているので、熱衝撃に対して抜群の耐性を示し、数えきれないほどの加熱/冷却のサイクルにも難なく耐えることができます。
純度

コーティング材料の純度が高ければ高いほど、硬質層の品質もよくなります。プランゼーでは最上質のパウダーだけを使用し、それを自社の設備で混合し、高い材料純度が得られるようにしています。プランゼーは、パウダーから最終製品まで、あらゆる段階を注視し、厳密に保証した密度と純度と均質な微細構造を持つターゲットだけが出荷されるよう管理しています。
一貫生産がもたらす最高品質

スパッタリングターゲットのトップメーカーとして、プランゼーは製造のあらゆる工程を自社内で行っています。金属パウダーの混合、成形、機械加工、ボンディングに至るまでの製造工程、また、新材料の開発やコーティングプロセスや薄膜の最適化も、社内で行われます。ターゲットの品質も最先端の測定方法を用いて検証しています。
コーティングプロセス向け材料と製品
グラファイトフォイル、ネジ、ワッシャ、ボルトなどの、製造に欠かせない付属品も喜んでお届けいたします。また、チタンアルミ、アルミクロム、クロム、チタン、ジルコニウム、チタンシリコン、タングステンカーバイド製のプランゼーのターゲット、カソードも一度ご覧ください。
